学問・資格

オーストラリア(NSW州)における教育の利点から学べること  その2

日本の中学と高校を一つにして6年間高校(High School)がある。高校は住んでいる地域により学校が決まるが、Selective High School(選択可能)という勉強重視の公立高校があり、地域に関係なく試験に受かればその高校へ通うことができる。試験は小学6年生の1学期に実施され、希望校を4校まで選び点数しだいでその合否が決まる。6年生になったばかりで、将来の6年が決まるというのは少々心配でもあるが、小学校でOCクラスと一般公立小学校との勉強の差を目の当たりにすると、このSelective高校と一般校の違いも似たような状況になることが懸念される。

毎年大学へ入るための試験(HSC)総合点のトップ50校の結果が新聞で発表されるので、そのSelective高校の順位が一目瞭然となる。従って‘その1’で書いた教育熱心な親御さんたちはSydneyにあるNSW州&キャンベラ地区のトップの高校を目指すために塾通いを子供に強要しつづける。

トップの高校に万が一入学したとしても男子が多く、きっとついていくのが大変だろう!と思い、娘の意思に従い評判の良い女子高などを受けさせた。

高校へ無事入学した後、ある中国人のお母さんと話をする機会があり、「娘さん、どうしてOO校(トップの学校)を受けさせなかったの?OX(娘の受かった高校)よりいいのよ。」と言われた。仲の良い友達でその娘の入った高校すら受からなかった子がたくさんいるのに、そんなことをよく言うな!と目が点になった。しかし数年たった今、そのトップ校に入ったその友達は数学で学校内で最後のほうになり困っている。それに彼女は親をとても嫌っていて、信じられないような言葉つかいをしている。小学校の頃から「OO校に入らなければ家を出て行け!」と言われ、塾通いで友達の誕生会すらこれなかった彼女をみてきたが、なんとも悲しくなる。

子供の学校、仕事、さらに結婚などの選択にたいして、親のできることは良い指針を与えることだけなのではないだろうか。子供の本心に逆らい、親のエゴを強要する親子関係に明るい未来は無いような気がする。

Year10(10年生)でSchool Certificateの試験があり、それは将来どの仕事に就くのにも必要になり、その時点で義務教育は終わる。大学進学をせずその他専門職を勉強したい場合はTAFEと呼ばれる(Technical and FurtherEducation commision)専門学校、短大に入学したり、または仕事に就く。このTAFEは若いうちから専門課程を集中して勉強できる点から、必要の無い勉強に時間を費やすこともなく、素晴らしいシステムである。市民と永住権所持者など地元学生の学費は安い。数年前に自分は半年通訳のコースを取った。そのコースの学費は地元学生が600ドル弱、留学生は5000ドル払っていたから、留学生はよほど自分のやりたい勉強でない限り、クラスの選択には充分考慮する必要がある。

Year 11&Year12(1112年生)で大学進学への勉強を続けて、HSC(High School Certificate)という試験が12年生の9月~11月に実施される。そしてその点数しだいで入学できる大学が決定する。そしてその大学に入ればまた勉強に追われる日々がつづく。

オーストラリアの学期は1月末から始まる。4学期に別れていて、1学期は10週間、そして2週間の休みがあり次の学期が始まる。夏休みはクリスマス前から1ヵ月半ほどある。10週間勉強して’学校が疲れたな’と思う頃に、2週間お休みというパターンは子供にとってはとても良い環境だと思う。働いている親のためにも、ちゃんとホリデーケアー(小学校6年まで)があり、そこに預けると動物園やら水族館やらに連れていってくれる。

娘はハーフということもあり、日本での教育を選ばなかった。私自身、個性をつぶしてしまうような同一主義的教育は好きではない。国により文化や歴史的背景の違いは認めるが、子供をしっかりとした成人に育て上げるのは親や国の義務である。他国の教育制度の利点を取り入れていくことは今の日本にとって必要なことなのではないだろうか?

‘子供が子供らしく大人が人間らしく生きている’これがオーストラリアの魅力のひとつである。

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