« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »

2013年4月

アンザック・ディ 戦没者追悼意識  日豪の違いを感じる日    April 25 in Sydney

アンザック・ディとは、オーストラリア国家の戦争記念日であり法定休日である。ANZACとは、Australian and New Zealand Army Corpsの略で、1915年*ガリポリの戦いの際にオーストラリアとNZ(ニュージーランド)両軍により編成された軍団の名称である。

毎年この日は、国内各地で日の出とともにDawn Serviceと呼ばれる戦没者追悼式、現時点でも戦地アフガニスタンに赴いている兵士への敬意を表する催しがある。今朝はブリスベン18万人、メルボルン4万4千人、シドニー中心地マーティン・プレイスにも多くの市民が押し寄せた。

このDawn Service式典の規模は大小様々である。私の身近なところでは、娘が小学校高学年時にガール・スカウトに参加していたが、やはりこのサービスがあり多くの子供達が参加していた。

朝のテレビ中継を観ていても、若い年代層や小さな子供を含んだ大勢の市民が日の出前から待機していた。そして大きな式典でさえも、政府や軍関係者のスピーチのみならず中高生などによる追悼の挨拶が含まれ、西オーストラリアでは小学生グループが参加している。過去の戦争で命を落とした兵士への追悼、また戦争は2度と繰り返してはいけないということを若い世代にしっかりと浸透させているのが伝わる。老若男女問わず国を挙げての記念日なのである。

午前中シドニー市の中心を走るジョージ・ストリートは、第一次&二次世界大戦、コリアン戦争、ベトナム戦争、パプア・ニューギニアでのボマナ戦争(パプアニューギニア軍に従事したオーストラリア兵士3000人死亡)、現在のアフガニスタン戦争(現時点オーストラリア兵士39人死亡)、兵士の遺族、元兵士、関連家族、水陸航空各軍,退役軍人のクラブによるパレードが華やかに開催され、バグパイプの音色やマーチング・バンドは圧巻であり、多くの見物人に囲まれ賑わう日となる。

また遠いガリポリにも8000人ほどのオーストラリア人が赴き式典が開催される予定である。

このアンザック・ディが近づくと各局ニュース番組では様々な戦争にまつわる話を一斉に流し出すが、そのうちの一つに特に胸が重く痛くなるのは、過酷な日本人キャンプからの生き残り兵士の話や画像である。

第二次世界大戦中日本軍が南東アジア諸国で猛威を震わしていた時、日本の捕虜収容所でのオーストラリア人兵士の数は2万2千人であった。痩せ細ったオーストラリア兵士が強行労使を虐げられている古い画像をテレビで観る度に戦慄が走る。過去の事実をしっかりと受け止め、無視して知らないでは済む問題ではなく、この事実をどれほどのオーストラリアを訪れる現代の日本の若者が知っているのかという疑問が浮かぶ。

歴史の事実を何も知らずに、日本の教科書からだけしか知識を持たないワーキング・ホリデーヴィザや学生ヴィザで渡豪している日本人の若者がいるかと思うとゾッとするのである。

いくら親日家のオージーであっても、暗い歴史を持ち日本人を嫌っている人もいるのは隠せない事実であるからだ。

日本の終戦記念日は、一部政府や平和団体により平和集会が開かれていると思われるが、終戦記念日に一般の日本人がどれだけ参加しているのであろうか?この国のアンザック・ディへの国民の戦争反対への意識度の高さや規模の大きさ、小学生がDawn Serviceに参加しているのをみると、雲泥の差を感じる。日本は平和ボケと言われても仕方がないようだ。

また海外に進出していく際に、様々な歴史の事実を知るのは必要不可欠なことである。

話はそれるが、元来お酒好きなオージーであり、この日は朝からパブでビールを飲み交わす人々が多くみられ、Two-up tipsと呼ばれるオーストラリアの伝統的なギャンブルがこの日だけ解禁される。これは一枚もしくは二,三枚のコインを空中に投げ、そのコインが同じ面を向けているかを賭けるものであり、第一次世界大戦中のオーストラリア兵(Digger)がこの賭けをしたことが由来である。

もしアンザック・ディにパブで飲んで騒ぎたい日本の若者がいるのなら、簡単な歴史の予習をしておき、また何か差別的な扱いを受けた際に対応できる英語力くらいは持っていてもらいたい。

 

*第一次世界大戦中19154月~19161月にかけ、トルコのガリポリ半島で起きた戦い。英仏連合軍がオスマン帝国の首都コンスタンチノーブルを奪還してロシアへの海路を確保しようと大規模な上陸作戦を展開したが失敗。

Wikipedia new.com.au ch 7, 9 ch 21

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

アインシュタイン説ミツバチの絶滅が人類滅亡へと??  ミツバチ減少話 その2

今月4日このブログで‘農薬によりミツバチが減少 養蜂場と野菜果物の将来は?’を書いたが、これに関して仲の良い友達が、「そういえばアインシュタインのミツバチと人類滅亡への関連性の記事を読んだことがあるわよ。」と教えてくれた。

その説は、“もしミツバチがこの地球上から消えてしまえば、人類に残された時間は4年である。”というもの。なんだか気になりさらにこのミツバチに関して調べてみることにした。

インターネットでミツバチ減少を調べていくと、アメリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアと世界的な問題となってきている。

‘世界のおよそ三分の一の農産物は、ミツバチを主とする動物授粉から産出されている。’

動物の授粉が必要なのは、ナッツ類、メロン、ベリー類、柑橘類、林檎、玉葱、ブロッコリー、キャベツ、芽キャベツ、ズッキニー類、胡椒、ナス、アボカド、キュウリ、ココナッツ、トマト、そら豆、コーヒー豆、ココアである。オーストラリア国内では、80から90%の授粉が国産のミツバチにより賄われている。’

日常一般に口にしている食べ物の多くがミツバチから恩恵を受けているのはあまり知られていない・・・というか、深く考えたこともなく気づかずにいたのは私だけであろうか?

‘野菜、果物などの授粉に欠かせないミツバチ数の減少の要因は、地球温暖化、農薬、携帯の電波塔からの放射線、最近では菌からなどと様々である。ただ現時点では、これだという原因は解明されていない。’

Rabobank Australia (農産業関連貸付機関)は、‘トウモロコシ、麦、米などの授粉は風であるから、このアインシュタイン説は大袈裟である’と述べている。確かに4年で人類滅亡説は大袈裟かもしれないが、上記の農産物の収穫が減るのはミツバチにかかっているという事実は見逃せないことである。

‘中国では80年代に使用した農薬により、四川省にある梨果樹園からミツバチが消え、今では手で羽ブラシを使い受粉させて収穫している。’

きっとこれが将来の農業の一つとなるなら、人件費を考慮すると値段上昇は当然といえよう。

‘ドイツ、フランス、イタリアではタバコに入っているNeonicothinoidsという農薬使用がミツバチの群れの死因に関係しているとして、その使用を禁止している。’

国により、この問題を重要視して対処に取り掛かっているのは少しでも救いといえよう。その他の国は、原因の断定ができずにいるから対処が遅れているのであろうか?それとも安いアジア諸国からの輸入に頼っていれば問題はないのであろうか?(いつまでも安いとは思えないが)

この説がアインシュタインから出たものはないという記事もあったが、いずれにしても迅速にミツバチや養蜂場の減少になんらかの対応をしていく必要があるのは各国の責任であろう。

Rabobank Australiaによるユニークな視点は、‘アメリカでは、*蜂蜜崩壊症候群以前に、安いアジア系の蜂蜜輸入増加で国内の養蜂場が減っている。それは90年代中国から雪崩れ込んで来た安い物資供給が、アメリカの希土類金属業を廃止に導いたのと類似している。これはフリー・トレードが容易く動きだしていることからの理由である。’

どこの国にもあるフリー・トレード奨励、推進による地元国の農業衰退の事実は、もっと真剣に国民に浸透させていくべきではないだろうか?

 

*ミツバチの群れが巣箱から突然消えたり、大量の蜂が巣箱で死んだりする現象

 

The Telegraph

http://www.telegraph.co.uk/finance/comment/ambroseevans_pritchard/8306970/Einstein-was-right-honey-bee-collapse-threatens-global-food-security.html

http://www.snopes.com/quotes/einstein/bees.asp

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シドニー豪雨から思うこと!   土曜の朝のひとりごと                     

今年のシドニーの夏は異常に暑い日が数週間あったものの、異常な天候記録更新などを除いてはわりと恵まれた夏であったと言えよう。タスマニヤやビクトリア州、西オーストラリア州で燃え続けた山火事、クイーンズランド州でのサイクローンや洪水に悩ませられた住人に比べればとてもラッキーな地である。

南半球の3月は暦の上では秋であるが、シドニーはずっと今年3月の平均気温が高く、数十年ぶりの最高気温を更新したりしていた。ここ数日、日中最高気温が19度~20度というごく一般の4月の気候になっていたが、3月の異常な暑さのせいか、4月に入っても秋であることをすっかり忘れていた。そして娘が「マム知ってた?もう秋の半分過ぎてるよ」との言葉にギョッとした。

秋冬の洋服もちゃんと用意しておらず、寒い寒いと慌てて長袖上着を探し出す日々となる。

おまけに今朝は気温が下がったばかりではなく天からバケツ水をぶっ掛けられているような土砂降りの雨となった。午前中、シティ(市の中心部)に出かける用事があり止むを得ず出かけた。

銃撃のような大粒の雨に道路は一瞬にしぶきで真っ白になっていった。ワイパーを一番速く動かしても5mくらい前を見るのが必死の状態。車に当たる雨音も激しく、橋を渡るときは強風で車が横に押されるのを感じた。過去一度もこんな雨を経験したことがないくらいの強烈な雨は恐怖にさえ感じた。

もともと水はけの悪いシドニー道路であるが、みるみるうちにあちらこちらに水溜りができていた。壮大に美しくそびえ立つセント・メアリー大聖堂に曲がる道は、20cmほど3m幅くらいの水が大きく溜まっていた。水溜りが深いのでは?と一目瞭然の箇所は、ドライバーも自分の車が心配であるから、ソロソロとスピードを落としてぬけていくが、小さな水溜りでは、スピードを落とさないドライバーが普通に走っていく。当然のごとく信号を待っていた人々はしぶきでビシャビシャになる。頭上から、いや、強風をともなう横殴りの雨だけではない、車からの水しぶきで散々の光景である。

また夏期の異常な豪雨のときにも思ったが、とにかく今までの普通の傘では太刀打ちできないことが判明した。大袈裟な言い方だが、折りたたみ式傘は便利ではあるがいとも簡単に壊れる。だって最高瞬間風速100kmが頻繁に起きていたからだ。

こうなると、今後さらにひどくなる気候変動を快適に生きていくのには、現存の傘や雨具ではいけないのである。

レインコートは完璧に水をはじくような防水加工+軽目でしっかりしたものが良い。日本の雨靴は良質そうであるからあまり心配はなさそうだが、ここシドニーでは上質の雨靴なんてみたことない。それにどちらかというと、強風と闘いながらもう傘を差している場合ではない。頭からすっぽりかぶるポンチョの強力版みたいなものがあれば便利なのに!とよく思った。(手が出た方がいいが)

先月メルボルンでは、強風でヒビ割れの入っていた古いレンガの壁が崩れ落ち、たまたまその時横の道を歩いていた一般市民が3人亡くなった。そのうち2人は兄と妹で、一度に2人の子供を失ったご両親の気持ちを察すると胸が痛む。

気候変動による強風や豪雨により、今まで老朽化をナイガシロにされていた道路や建物はどんどんと朽ち落ちて行くのは当然のことであろう。

今さら私が口出しするようなことではないが、日本も梅雨と台風シーズンの夏本番に向けて、そういう不安な箇所を重点的にチェックしていく必要があると思われる。

もちろん地震による津波の影響を嫌というほど見せつけられた日本だから、都市部、地方自治体も十分に改善していると思われるが、海抜の低い河川や海岸線の土地や道路への対策を練るのは必要不可欠であろう。シドニーでも年度末になると急に予算を使いきるために道路工事を始める嫌いがあるが、そんな次元は問題外といえよう。

メルボルンの壁が強風で朽ち落ち死者を出す!こんな悲しい事故を少しでも避けていくのは人々の日頃の万全なる準備しかないからである。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

1億4千万円!の欠陥マンションの顛末は?           シドニーの某郊外編

不動産屋で働いている友達からちょっと驚く話を耳にした。

彼の働く事務所は、シドニー中心地から電車で20分、車では40分(混雑時を除く)くらい、ここ7,8年、軒並みにマンションがたち始めている郊外である。話になったのは、住宅ローンの返済ができなくなったある物件が銀行に差し押さえられ、その物件を売りに出すというものであった。

この差し押さえになった建物は、地下に車2台分のガレージ、地階に15畳くらいのリビングスペースと台所と洗濯室、2階に3寝室とバスルーム(トイレとお風呂場がいっしょにある部屋)2つ、3階は広いバルコニーでジャクジ付き。寝室の部屋の大きさは8畳から10畳くらいの大きさらしい。

値段は、6年前新築で1億4千万円、なんと今は至るところに建築の欠陥がみられ、すべて直しても8500万円くらいで売れたら良いとのことであった。

何が驚きかと言うと、まずこの郊外で6年前にその物件がそんな値段もしたのか?そしてそんな高額でも売れている!という点。また6年しかたっていないのに、3階のバルコニーから水が漏れ2階の寝室の天井がカビていたり、壁が安物で朽ち落ちてきたりなど、とんでもない建築構造という点。そして窓からの景観は、まわりのマンション、その建物の合間に河川が流れているくらいであり、景色が良いわけでも自然に囲まれたわけでもなんでもない。増して、そのあたり外からみても魅力がある建物とは決して思えないのである。

営業妨害になるといけないので、一切建築会社や郊外の名前は書かないでおくが、その会社の欠陥建築は不動産屋では誰もが知っているそうだ。しかし仕事上、売りに出す物件は最悪の欠陥住宅ですよ!なんて言えないという代物なのである。また、今だから欠陥が見え出したが、6年前では知られていなかったかもしれない。

この郊外はアジア系移民の進出が年々増えている。アジア系の特に若い学生やカップルが多く、お金を持った親たちが祖国からお金を注ぎ込んでいるのか、彼らの乗っている車も高級車が多い。二十歳そこらの若い女の子がどうしてBMの新車に乗れるの?といつも不思議になるような地域だ。

もう一つ懸念されるのは、この郊外一一帯の交通状況である。建築ラッシュは止まるところを知らない、そのわりに電車のシステムは向上するわけでもなく、道路の混雑は悪化するのみ


来週から子供達がスクール・ホリデーに入るから、今日はなぜか朝からこの辺りは大渋滞になっていた。他州の車が遊びに訪れていたり、早めにシドニーを脱出してホリデーに向う家族などが道路になだれ込んでいたようだ。

交通システムの改善や向上には十年単位で時間を費やすものと予想される。今、いや5,6年前からでも、この交通状況を変えていかなければ、数年先のシドニー郊外は最悪になっていくであろう。定刻通りに走り、滅多に故障しない(自然災害時以外)日本の都市の電車網を羨ましく感じる日々である。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

農薬によりミツバチが減少 養蜂場と野菜果物の将来は?

今朝のニュースで、アメリカのミツバチの数が年々減少、それに関わる農業の危機について話していた。私は蜂蜜が大好きで毎朝欠かさずレモン・ティに蜂蜜を入れて飲んでいる。ビタミン錠の代わりにプロボリス(毎日ではないが)も飲んでいる。そのせいか(自分で信じているだけかな?)、シミやソバカスが減り皺も少なく感じる。私の食生活から蜂蜜が無くなるなんて考えられないが、なんとミツバチの重要性は、それだけではなかったのである。

ミツバチは蜂蜜だけ生産しているわけではなく、林檎、梨、インゲン、南瓜、スクワッシュなどあげたらキリがないほどの野菜や果物の授粉を行わっている。つまりミツバチの減少により、野菜果物の生産率が下がり、値段高騰や食料不足につながっていく。

アメリカでは2006年以前、年に5%~10%のミツバチが死んでいたが、その後数は増えつづけ、ある養蜂場では今年半数に及ぶ、ミツバチが死んでいるそうだ。蜂群崩壊症候群と呼ばれる、ミツバチの群れが巣箱から突然消えたり、大量の蜂が巣箱で死んだりする現象が起きているそうだ。原因の一つとしては、大量生産を重視して80年代から多量に使用されているネオニクス(Neonicotinoids)と呼ばれるニコチンと関連した殺虫剤(農薬)があげられていた。

メリーランド大学の研究者によると、多くのストレス要因がミツバチを死に至らせており、ネオニクスだけが理由とは限定できず、さまざまな化学的要因が混ざっていることも解明していく必要性があり、大切なのは、迅速にミツバチの死因を追及していかなければ養蜂場の数が減り、それは避けなければいけないことと述べていた。

日本ではどうなのか?気になり調べてみると、“ハチ不足に農家「困った」という情報を見つけた。2008年のもので少々古いが、日本でも同様な問題が起きている。知らなかったのは、‘苺、スイカ、メロン、ナス、梨などの花粉交配のために農家が養蜂家からミツバチを買って放っていた’ということである。

農産物大量生産のための農薬が、野菜果物の花粉交配に最も大切なミツバチをも瀕死の状態にしているというのは、まったくの皮肉であろう。

クロップライフ・アメリカの会長は、この農薬とハチの死因の関連性を認めず農薬使用を禁止する意志はないと述べていたが、こういった農薬はミツバチだけではなく、その他自然動物や人間にも大きな影響を及ぼしていることであろう。それを考えると気味が悪くなる代物である。

毎日どれだけの量の古くなったり痛んだ野菜果物がスーパーや小売店から捨てられているのか?人口が増え食の供給のための大量生産は止むを得ないと言えようが、食の豊かさと便利、価格を下げることに集中していくと、痛いしっぺ返しを食らうのは人間ではないのであろうか?

情報源:CBS This morning Wikipedia / Neonicotinoid

http://www.cbsnews.com/8301-505263_162-57577668/deepening-honey-bee-crisis-creates-worry-over-food-supply/

http://www.kyoeikasai.co.jp/kpa/agent/monosiri2008-36.htm

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年3月 | トップページ | 2013年5月 »