« 怪しい日本食、寿司ショップがひろがるシドニー | トップページ | オーストラリア(NSW州)における教育の利点から学べること  その2 »

オーストラリア(NSW州)における教育の利点と将来への心配 その1

この内容はすべて自分の子育て体験からよるものであり、NSW州在住からの視点であり他州の事情は異なる場合がある。また公立に焦点を当てており、私立、キリスト系、ユダヤ系など宗教系の学校事情はあまり知らないのでその点はご了承していただきたい。

公立学校制度、小学校はKindy5歳(Kindergarten日本の幼稚園の年長)から始まりYear6(6年生)で終わる。一般に小学校では基本的な学科、芸術、音楽、劇、討論、社会問題、体育。またグループの協調性と共に個人を主張することを学ぶ。この国に来て最初に感じたのは子供が子供らしい。目がキラキラと輝き自由奔放である。先生は躾はするが厳しく叱ることはない。褒める教育をモットーとし、たとえば空の色を真っ赤に描いた子供がいても決して否定や訂正はしない。一般概念を押し付けず、個性を伸ばすことを大切にしている。

移民の国であるから、ほとんどの小学校にはESL(English as a second language英語を母国語にしない生徒)クラスがあり、その専門の先生やアシスタントがいる。一般に先生はクラス内の底辺を持ち上げるのに力を入れている。従って、勉強のできる子や高度な教育を与えたい親にしてみれば、すこし物足らない状況も現れてくる。そこで一般家庭向けに、ある良い制度がある。ここで一般家庭と述べたのは、多額のお金を払えば良い私立小学校に子供を入れ教育をしっかりと与えることができるから、それに属さない家庭対象である。

良い制度とは、小学校4年生でOCクラス(Opportunity Class:一部の公立小学校5,6年生徒用特別クラス)に入る試験を受けることができる。この試験は強制ではなく、もっと勉強を重視したい生徒が特別OC クラスに入れる機会を与えるためにある。

まずこのOCクラスに入るために教育熱心な親は子供を3、4年生で塾(Coatching School)に入れる。この塾がスパルタ的であり、ほとんど塾に通う子供はアジア系である。そしてOCクラスに合格しても、今度はこのクラスについていくため、またその後の選抜高校に入るために塾通いをつづけるのである。娘はOCクラスに運良く合格したが、彼女のクラスメイトはほとんど塾生徒であった。聞くところによると、平日は学校の後、毎日3時間、週末は最低1日5,6時間は塾で勉強しているそうだ。これなら10週間(1学期)800ドル~という授業料もうなづける。しかし小学校の低学年から塾通いをしている子供はどのように育っていくのであろうか?

このOCクラスは公立小学校10校に1校くらいの割合で(地域によるが)設立されている。このクラスの生徒数は30人。一般小学校の生徒数が一クラス20数人程度であったから少し大目の数である。男女の割合は毎年かわるが、娘の学年は男子20人女子10人であった。女子10人のうちオーストラリア人1人、イギリス系1人、中国系7人、娘(日本&アメリカ系)が1人。男子20人のうちオージー1人、インド系1人、中国系18人。この数から一目瞭然であるが、圧倒的に中国系の生徒が多い。学習レベルはとても高く、宿題の量やクラスの内容は前にいた一般小学校に比べ大きく違った。これでさらに普通の小学校の生徒とは差がつくわけである。

このクラスに対して、公立でも素晴らしいクラスがあるんだ!という思いと、疑問点が浮かんだ。同級生達は勉強に集中ばかりしていて友達同士で遊べない。またこんなに緑の芝生グランドがあちらこちらにあるシドニーで走り回ることすらできない子供がいっぱいいるのだ。気候と環境に恵まれた国だからこそできることが山ほどある。それを子供に味合わせられないのならなぜこの国にいるのであろうか?

日本人の教育熱心な親もきっとたくさんいるだろうが、この中国系の親たちは強力である。子供の意思はまったく無視、子供の将来は弁護士か医者としか考えていないのだ。

これに比べオーストラリアの親達は勉強も大切だがスポーツや音楽をとても重視する。サッカー、水泳、ネットボール、クリケット、フットボール、季節に応じていろんなスポーツ・チームに所属させ週末はどのグランドも物凄い数の子供と親が集まる。また小学校のブラスバンドやオーケストラに所属させたり、個人で楽器を習得させている。

我が家はどちらかというとオージーよりであった。塾通いなんてとんでもない、娘はサッカーとブラウニー(ガールスカウト)を小学2年生から、サックスフォーンを3年生から始めた。

音楽や芸術にふれ、子供同士のスポーツや遊び、おしゃべりなどが子供の心の成長に必要であり、肥やしであると信じている。毎日塾に通って、どうやって社会性を身につけていくのか? 塾通いと勉強にしか時間を費やしていない子供が大人になったら、どんな医者や弁護士になるのであろう?

将来が心配なシドニーである。

つづき

|

« 怪しい日本食、寿司ショップがひろがるシドニー | トップページ | オーストラリア(NSW州)における教育の利点から学べること  その2 »

海外教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1257006/35930352

この記事へのトラックバック一覧です: オーストラリア(NSW州)における教育の利点と将来への心配 その1:

« 怪しい日本食、寿司ショップがひろがるシドニー | トップページ | オーストラリア(NSW州)における教育の利点から学べること  その2 »